9/10/2026

エスフォル 序

私たちは炎になった
最後の火を灯し 掲げ
無限の時を旅し
すべての幻想を払え
そして遍く天へ広がり
自在に駆けよ

***

このような光景を見た
長い 長い 
精神の戦いの旅路を歩んだ
一人のさすらい人が
最後にして最初の到達点に辿り着いた
それは来るべき朝、春の訪れだった
朦朧とする意識の中
まっすぐに何かを見据えて
貴方にしか見えぬ誰かに会ったかのように
思い出を踏みしめた

それは最初の意志となった
一歩 また一歩と歩くたびに
物語は貴方を祝福し
新しい言葉と、声と、あこがれと、歌が
まだ暗い空から地平線のなきところまで飛び立っていった
(そのとき落ちた羽を持つ人々を
この地上において
時折見かけることがあるのだが
私は彼らを忘れたことはない)

それは固い誓いだった
首に下げた形見の宝石が俄かに輝きを放ち
硝子の割れるように砕け散った
貴方はこの光景をこそ望んだ
道行の先に待つものをこそ待ち焦がれた
一体誰が貴方の望みを知ることができただろうか?
貴方の名しか知らぬ人々にとっては?

運命の向かう先、嵐の予感
ただ報いのために歩み続けるまで
貴方は貴方の果たすべき約束のため
自らを「世界の敵」と名付けた

伝説をさすらう者、
時の終わりから始まりまで
今もなおさまよえるエスフォルよ
願わくば、貴方の姿が再び照らされるように