2/09/2025

14.

漫ろ歩く夢の岸辺、

見渡す限り煥いて、

覆い隠してくれるはずの

空は虚となって消えた。

思い出せ、思い出せ、

聞く者なき託宣を。

見せかけの怪物たちは

霧の中をひた走る。


沈んでいったものたちを

甦らせるべく、

運命に憧れて

運命をまた憎む。

目も眩む晅気を

討ち倒すべく、

玉座でただ一人

王は哄笑する。


流れ着く偽りの王国、それは

征服された理想の王国。

林立する鯨の亡骸、あるいは

すべての海に生きた彼等の遺骸。

忘れるな、忘れるな、

なおも響く笛の音を。

はじまりの意志だけが

人知れず目を覚ます。