漫ろ歩く夢の岸辺、
見渡す限り煥いて、
覆い隠してくれるはずの
空は虚となって消えた。
思い出せ、思い出せ、
聞く者なき託宣を。
見せかけの怪物たちは
霧の中をひた走る。
沈んでいったものたちを
甦らせるべく、
運命に憧れて
運命をまた憎む。
目も眩む晅気を
討ち倒すべく、
玉座でただ一人
王は哄笑する。
流れ着く偽りの王国、それは
征服された理想の王国。
林立する鯨の亡骸、あるいは
すべての海に生きた彼等の遺骸。
忘れるな、忘れるな、
なおも響く笛の音を。
はじまりの意志だけが
人知れず目を覚ます。